ポータブルCDプレーヤー(松下SL-S330C) コンデンサ交換
設置2011/2/15
最終更新2011/2/15

以下の内容はすべて自己責任において行っています。誰もいないことと思いますが、やる場合は自己責任で。事故や不具合、動作しなくなったなど全ての結果に関して当方は一切責任を負いませんし、メーカー保証もきかなくなると思うのでご注意ください。


ブログのほうでも何度か書いていますが、松下電器産業株式会社(現パナソニック)製SL-S330Cのコンデンサ交換です。1992年発売の機種で、キレイな音質に加え、操作性とデザインが優れたお気に入り機種です。

うきょうたかしのPCDP&CD日記2010/02/28記事「SL-S330Cを買ってきました」
うきょうたかしのPCDP&CD日記2010/09/22記事「SL-S330Cのコンデンサーを交換しました。」
うきょうたかしのPCDP&CD日記2010/10/24記事「先日のSL-S330Cカスタムの続き」
うきょうたかしのPCDP&CD日記2010/12/08記事「SL-S330C構成変更しました。」
上の4リンクがブログ記事です。以下の記事とあわせて読んで頂ければ幸いです。

おなじみSL-S330Cの外観と蓋を開けたところです。

 

この個体は購入時「電源NG」ということで、確かにそのままでは電源が入らない状態でした。
可変抵抗のポイント調整で何事も無かったかのように動いたわけですが、一部コンデンサーに劣化が見られたのでそちらを補修目的で交換したのがはじまりです。

コンデンサが小型品であることや設計上の問題なのか、意外と劣化しているものが多く出てきていて、カスタム項目に掲載していないものでも補修目的でコンデンサ交換や再ハンダを行ったものがかなりあります。
長くお使いの個体をお持ちの方はぜひ一度チェックしてみるといいかもしれません。


まず購入後すぐに行った補修目的のコンデンサ交換は以下の通りです。

番号 耐圧、容量 交換コンデンサ(全て新品)
C714,715 4V220uF(松下KA 青) 変更無し
C10 6.3V100uF(松下KA 黒) 25V100uF(日本ケミコン KZE)
C701 6.3V100uF(松下KS 黒) 変更無し
C605 10V22uF(松下KA 黒) 変更無し
C201 10V22uF BP(松下KA 黒) 変更無し
C9 10V33uF(三洋OSCON) 10V33uF(三洋OSCON)
C13,14 10V47uF(松下KA 黒) 25V47uF(日本ケミコン KZE)
C124,602,610 10V47uF(松下KA 黒) 変更無し
C109,202 16V10uF(松下KA 黒) 変更無し
C702,703,705,707 16V10uF(松下KS 黒) 変更無し
C1 25V4.7uF(松下KA 黒) 変更無し
C120 35V2.2uF BP(松下KA 黒) 変更無し
C126 50V0.47uF(松下KS 黒) 変更無し
C4 50V1uF(松下KA 黒) 変更無し
C6 50V2.2uF BP(松下KA 黒) 変更無し

これでもう問題なく使用できるようになりました。
この頃は他の機種や薄型機を多く使用していたので、このSL-S330Cは音がいいながらもあまり使うことはありませんでした。
それにコンデンサ交換しようかと思ってもこのクリアランスのなさですから、特に手をつけることも無くしまいこんでいたわけです。

とはいえ音・操作性が優れている機種ですし、音質傾向も好きなものですから当然ヘビーローテーション機種になるのです。そうしたらせっかく使うのならばもう少し手を加えてやろう、ということでまたコンデンサ交換を計画しました。


このSL-S330Cはスタイリッシュなデザインも魅力の一つなのですが、そのために内部クリアランスを犠牲にしてしまっています。
コンデンサがつまっている箇所が有り、本体の空きスペースも殆ど無いという事で、寝かせたりスペースのあるところまで線を引っ張ってという方法もかないません。
なのでいつものような音質改善目的のコンデンサ選定ではなく、単なる補修の意味合いでのパーツ選定で妥協せざるを得ません。

純正は表に書いてあるとおり松下KSシリーズですが、この当時共立エレショップでKSシリーズを取り扱っていることを知らなかったので、同じく5mmハイトのニチコンMWを選択しました。
超小型品ではありますが音響用ということで松下KS/KAの青い奴と同等以上のものであろうと推測(これが間違い)し、以下のように交換作業を実施しました。

番号 耐圧、容量 交換コンデンサ(全て新品)
C714,715 4V220uF(松下KA 青) 変更無し
C10 25V100uF(日本ケミコン KZE) 変更済み
C701 6.3V100uF(松下KS 黒) 16V100uF(ニチコン MW)
C605 10V22uF(松下KA 黒) 16V22uF(ニチコン MW)
C201 10V22uF BP(松下KA 黒) 16V22uF BP(ニチコン MUSE ES)
C9 10V33uF(三洋OSCON) 変更済み
C13,14 25V47uF(日本ケミコン KZE) 変更済み
C124 10V47uF(松下KA 黒) 25V47uF(日本ケミコン KZE)
C602,610 10V47uF(松下KA 黒) 16V47uF(ニチコン MW)
C109,202 16V10uF(松下KA 黒) 16V10uF(ニチコン MW)
C702,703,705,707 16V10uF(松下KS 黒) 16V10uF(ニチコン MW)
C1 25V4.7uF(松下KA 黒) 50V4.7uF(ニチコン MW)
C120 35V2.2uF BP(松下KA 黒) 50V2.2uF BP(ニチコン MUSE ES)
C126 50V0.47uF(松下KS 黒) 50V0.47uF(ニチコン MW)
C4 50V1uF(松下KA 黒) 50V1uF(ニチコン MW)
C6 50V2.2uF BP(松下KA 黒) 50V2.2uF BP(ニチコン MUSE ES)

そのほか変更点:音響効果スイッチジャンパ(アムトランス0.7ミリ径金メッキ銅線)


もともとの音が好きなのでカップリングコンはそのままでも良いかなー、と思って交換はしませんでした。
音響効果スイッチジャンパももうお馴染みですね。これをやってしまうと音響効果を入れられなくなってしまいますが、使わないのであればジャンパしてしまったほうがいいですね。スイッチをちゃんと綺麗にしていればさほどの変化は感じられませんが、スイッチ内部が汚れていて接触不良が起きていると明らかに音がおかしくなってしまいます。

これで良い感じになったであろうと思ったのですが、MWが思うほど良くないんですよ。
もちろんコンデンサの回復やエージングなどでまた改善される部分もありますが、イマイチしっくりこないといいますか、もともとの綺麗な音がが損なわれてしまい、低域よりでモヤァーッとした感じになってしまいました。
音自体は悪くはない(良くもない)のですが、自分の好みではない音になってしまい、いくら補修目的とはいえ正直コレではコンデンサ交換した意味がまるでありません。

以前
「MUSE FXがなくなりましたが、FW等取り扱う予定はありますか?」
と聞いた時に海神無線さんのオバチャンが言っていたことを思い出しました。
「FWは全然ダメ。置き換えはFGで・・・(略」
MWはFWの小型品のようなものですからね。FWがイマイチならやっぱりMWもイマイチですよ。同じ5mmハイトなら松下KS黒のほうが良いですね。

そこで最後に残していた部分を交換するに至ったわけです。
OSCONの使用は公式で禁じられている部分ではありますが、今までもこれで良い結果を得られていますし自己責任でやっているので今回も構わずやりました。
内部クリアランスの関係でMWはもうそのままで良いとしてここはOSCONに期待です。

番号 耐圧、容量 交換コンデンサ(全て新品)
C714,715 4V220uF(松下KA 青) 6.3V150uF(三洋OSCON SEP)
C10 25V100uF(日本ケミコン KZE) 変更済み
C701 16V100uF(ニチコン MW)
C605 16V22uF(ニチコン MW)
C201 16V22uF BP(ニチコン MUSE ES)
C9 10V33uF(三洋OSCON)
C13,14,124 25V47uF(日本ケミコン KZE)
C602,610 16V47uF(ニチコン MW)
C109,202,702,703,705,707 16V10uF(ニチコン MW)
C1 50V4.7uF(ニチコン MW)
C120 50V2.2uF BP(ニチコン MUSE ES)
C126 50V0.47uF(ニチコン MW)
C4 50V1uF(ニチコン MW)
C6 50V2.2uF BP(ニチコン MUSE ES)


これで狙い通り、クリアーで良い感じの音になりました。
手持ちの無改造SL-S330Cと比べてみても差を実感でき、補修目的に音質改善目的に、とても良い結果を得られました。
このあとほったらかしにしていた半固定抵抗をこれまたお馴染みネオポットPN822Hに交換し、HP端子部やそのほか何箇所か再ハンダをしてSL-S330Cカスタムが完成しました。

発信子や抵抗など、まだ手を加えることの出来る箇所も有ることは有るのですが、ひとまずはこれで十分でしょう。


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