以下の内容はすべて自己責任において行っています。誰もいないことと思いますが、やる場合は自己責任で。事故や不具合、動作しなくなったなど全ての結果に関して当方は一切責任を負いませんし、メーカー保証もきかなくなると思うのでご注意ください。
趣味でポータブルCDプレーヤー(以下PCDP)を集めています。ただ純粋に音質を求めるのであれば、もちろん据え置き型の機器でオーディオシステムを構築したほうが良いと思います。しかし、PCDPはどのプレーヤーにもそれぞれ違う味があって実においしいアイテムなんですね。
PCDP自体は事実上の消滅となりました。非常に残念ですね。お金がもの凄くたくさんあれば様々なPCDPをつくって販売したいのですが、残念ながらお金をあまり持ってません。
さて今回は私のPCDPコレクションを紹介するのではなく、ある1台のコンデンサを全て入れ換えてやろう、というものです。
今回コンデンサを入れ換えるPCDPはこちら、松下電器産業株式会社(現パナソニック)製SL-S230です。1998年発売の製品で、私のこのSL-S230は1999年1月製造のものです。
純正と交換用のコンデンサは以下の表の通り。本当は出来る限りOSCONに交換したかったのですが、手持ちが足りなかったこととラインナップにないものがあるということで一部違うコンデンサを入れています。
東信工業のUTSJシリーズというのがそれです。このUTSJシリーズ、最近一番気に入っているコンデンサです。それについてはまた別の機会に紹介したいと思います。
純正コンデンサ | → | 交換コンデンサ |
4V220uF*2(松下) | 6.3V220uF(三洋OSCON) | |
4V560uF*1(東信) | 6.3V560uF(三洋OSCON高分子) | |
6.3V47uF*1(三洋OSCON) | 20V47uF(三洋OSCON高分子) | |
6.3V220uF*2(ELNA) | 6.3V220uF(三洋OSCON) | |
10V22uF*1(松下) | 16V22uF(三洋OSCON) | |
10V47uF*3(ELNA) | 16V47uF(東信UTSJ) | |
10V330uF*1(東信) | 16V330uF(東信UTWRZ) | |
16V10uF*2(松下) | 16V10uF(三洋OSCON) | |
50V1uF*1(松下) | 50V1uF(東信UTSJ) |
もともとついているコンデンサを引き抜いて、そこに同容量のコンデンサを入れれば出来上がりです。容量の増量も考えましたが調整や計算などが面倒なことと動作が不安定になったら嫌だということで、今回はパスしました。
一部のコンデンサは高さの関係で寝かさないと蓋が閉まらなくなるので寝かしています。リード部はなるべく短くするべきですが、そこまで気にするほど伸ばしている訳ではないので大丈夫でしょう。
下の右側の図を見てください。中央付近にある水色のものはセラミック発振子です。これより古い上位機種には水晶発振子が多く使われていたので、このSL-S230もついでに水晶発振子に交換してやろうと思ったのですが、残念ながら店頭で見つけることが出来ませんでした。
藤色のコンデンサがOSCONです。松下のPCDPに詳しい人ならば、この事例でカップリングコンデンサにOSCONを用いていることが分かると思います。本来は禁止されていますが、経験上PCDPでは問題が出ていない(あくまで私が手を加えたPCDPに限っての事例。コンテンツに加える予定はないですが、SL-S270などで自分の中に限ってPCDPのカップリングはOSCON使用オーケーという結論が出ています。)ということでカップリングにもOSCONをつかいました。
しつこいようですが、もし「俺もやってみよう。」ということから発生した全てのトラブル(火災や爆発などの大ごとから、左右の音量が狂った、などの小さなものまで全て)に関して私は責任を負いません。万が一やる場合は自己責任で。私も「失敗や問題が発生しても一切構いません。」という考えのもと、自己責任でこのような改造を行っています。
下の写真は引き抜いたコンデンサです。いくつかは再利用も十分可能な程度でしたが、もう10年も前のコンデンサなのでおとなしく処分しました。
コンデンサ交換の結果、交換前よりも間違いなく音が良くなりました。SL-S230は複数台所持の機種なので、全く同じヘッドホン・電源・CDを用いて今回コンデンサ交換したものとそうでないものの音質を聴き比べることが可能です。
私は高級ヘッドホンを持っていません。更に糞耳ときてます。その為、他の人よりも音の差を感じることが苦手です。にもかかわらず、明らかな差を確信することが出来ました。
評論家のような表現が出来ないのでアレですが、交換前は布でくるんでいるようなモフモフした感じの音、交換後はすっきりと透明感のある音、そう感じられました。
OSCONを多用したことでクリアー且つ繊細な音を表現できるのかなと思います。
オーディオビジュアルの世界はプラシーボや迷信が多いとよく言われることから、私も「歴然とした差は出ないだろう。まあ10年も経ってコンデンサもヘタっているだろうから新品交換して損は無い。」程度に考えて行いました。
しかしこのようにコンデンサを交換した結果、とてもにわかには信じられないほどの大幅な音質向上を実感することが出来ました。別にICや回路などをいじった訳ではありません。高々コンデンサ交換程度でここまで音に歴然とした差がでるとは実に驚くべきことです。