以下の内容はすべて自己責任において行っています。誰もいないことと思いますが、やる場合は自己責任で。事故や不具合、動作しなくなったなど全ての結果に関して当方は一切責任を負いませんし、メーカー保証もきかなくなると思うのでご注意ください。
今回コンデンサを入れ換えるPCDPはこちら、松下電器産業株式会社(現パナソニック)製SL-S190です。1995年発売の製品で、私のこのSL-S190は1996年1月製造のものです。
このPCDPは私の手持ちの中でも特に内部クリアランスの大きい機種です。余裕があるということはそれだけ大きなコンデンサを搭載することが出来ます。
そのため容量増にはもってこいの機種ですが、トラブルが起きたら嫌なので容量増はまたもや(というか未来永劫?)断念ということになります。
純正と交換用のコンデンサは以下の表の通り。なんと巨大なMUSE KZが入ります。
純正コンデンサ | → | 交換コンデンサ(全て新品) |
4V220uF*1(松下 黒) | 25V220uF(ニチコンMUSE KZ) | |
4V220uF*3(松下 青) | 6.3V220uF(三洋OSCON) | |
6.3V47uF*2(三洋OSCON) | 16V47uF(三洋OSCON) | |
6.3V100uF*1(松下 黒) | 6.3V100uF(三洋OSCON) | |
6.3V100uF*2(松下 青) | 16V100uF(三洋OSCON高分子) | |
10V22uF*1(松下 黒) | 50V22uF(ニチコンMUSE KZ) | |
10V33uF*1(三洋OSCON) | 10V33uF(三洋OSCON) | |
10V47uF*2(ELNA 黄) | 16V47uF(三洋OSCON) | |
16V10uF*2(松下 黒) | 16V10uF(三洋OSCON) | |
16V10uF*2(松下 青) | 16V10uF(三洋OSCON) | |
25V4.7uF*1(松下 黒) | 30V4.7uF(三洋OSCON) | |
50V1uF BP*1(松下) | 50V1uF BP(東信BPUS) | |
50V2.2uF*1(松下 黒) | 50V1uF 2本並列(東信UTSJ) |
もともとついているコンデンサを引き抜いて、そこに同容量のコンデンサを入れれば出来上がりです。
やたらリードの長い並列のコンデンサがあります。このようなところは本来あまりリードを長くするべきではありませんが、この例ではノイズを拾ったり云々ということはありませんでした。
黒と金の巨大コンデンサがMUSE KZです。ラインナップが高耐圧ばかりということもありますが、そもそも同耐圧同容量の一般的なコンデンサと比べてもアホほど大きいコンデンサです。音は良くても機器に入らないということで搭載を断念しなければならないこともしばしばあります。リード線が太すぎて取り付けられなかった、なんてこともありました。
下の写真は引き抜いたコンデンサです。
コンデンサ交換の結果、交換前よりも間違いなく音が良くなりました。SL-S190は2台所持している機種なので、全く同じヘッドホン・電源・CDを用いて聴き比べることが可能です。
さらに、今回はカップリングコンデンサの交換を最後に回したので、カップリングコンデンサの違いによる音の違いを感じることが出来ました。OSCONにしたら純正よりもクリアで繊細な音を紡ぐものの、持ち前の力強さは少し減少する感じでしょうか。
が、しばらく使用していると力強さと繊細さを併せ持つ音を出していることがわかりました。エージングなどもあるかもしれませんが、やはりSL-S190の持つ味とMUSE KZが生きてきているのだろうと思いました。
今回のSL-S190は以前のSL-S230と比べても、そもそもの音の傾向がぜんぜん違います。こちらの機種のほうが圧倒的に力強い音を出します。OSCON使用でもその力は衰えるどころかむしろ強くなり、それも元々よりも遥かに上品な強さへと変貌を遂げた感じです。OSCON多用のおかげで繊細な音を紡ぎだす能力も格段に向上しました。
今回はMUSE KZものっけることが出来たので、このように全域にわたりとても素晴らしい音を出すことが出来るようになったのかもしれません。これらの要素が、オールド機独特の力強さを持ったプレーヤーに加わった訳ですから、迫力は元々の比ではありません。
低音の良く出るヘッドホンと組み合わせるとより一層、力強さを感じることが出来るのではないでしょうか。
夜に音楽を聴く時は近所迷惑にならないよう、ポータブル機を使用しています。コーヒーを飲みながらこのSL-S190で好きな音楽を聴くのが至福のひとときです。